心豊かにお彼岸を迎えましょうの巻
もうすぐ秋のお彼岸です。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが、近年の気候変動により残暑が続くことも少なくありません。それでも、お彼岸は暦の上では季節の節目として大切にされています。春分と秋分の日を中心とした前後7日間に行われ、先祖を供養し、自分自身と向き合う機会として日本の生活文化に根付いています。
春と秋の2回あるこの期間は、昼と夜の長さがほぼ等しくなり、自然界のバランスが整う時期とされています。
お彼岸の過ごし方として、まずお墓参りですね。お墓をきれいに整え、先祖に感謝の気持ちを伝えることで、家族の絆や自分のルーツを再確認する良い機会となります。また、家では仏壇におはぎやぼたもちをお供えします。小豆の赤い色が邪気を払う効果がある、と言われており、昔は貴重であった砂糖を使うことでご先祖様への感謝の気持ちを伝えることにつながるとの理由があるようです。秋には「おはぎ(萩)」、春には「ぼた(牡丹)餅」と呼ばれますが、どちらも同じもので、季節の花にちなみ名前が変わります。
お盆とよく混同されがちなお彼岸ですが、両者には明確な違いがあります。お盆は7月または8月に行われる行事で、祖先の霊が一時的に家に戻るとされ、そのための準備や迎え火、送り火などが行われます。一方、お彼岸は祖先供養に加えて、自分自身の内面を見つめ、心を整えることに重きを置いています。彼岸という仏教の教えに基づき、現世の「此岸」から仏の悟りの世界である「彼岸」へ至ることを象徴しています。
秋のお彼岸は、特に暑い夏が終わり、次第に涼しくなる頃に行われるため、心身ともにリフレッシュしやすい時期でもあります。とはいえ、今年もまだ暑さが残っているので、無理をせず体調に気を配りながらお彼岸を迎えたいものです。
古来、仏教の精進料理には昆布がよく使われてきました。昆布は、その滋養が豊富で、仏教の教えにおける清浄な食材とされています。
こうはらの発酵昆布を使用した「舞昆」は、お彼岸のお供え物としても、先祖を敬う心を込めた食卓にもぴったりです。また、おはぎには塩昆布がよく合います。塩昆布の旨味があんこの甘さを引き立て、さっぱりとした後味を楽しめます。こうはらで人気の「特松」や「汐吹昆布」はいかがでしょうか。
「舞昆」とともに心温まるひとときをお過ごしいただければと思います