舞昆コラム

昆布の種類!の巻

大阪で利用される昆布にも色々種類があります。それぞれの昆布は特有の風味と用途を持ち、大阪を中心とした関西の料理に豊かなバリエーションを提供しています。

【真昆布】

<白口浜産>表皮は褐色で切口は白い。だし汁の清澄さ、味わいの上品さから、最高級の昆布とされている。天然昆布は肉厚なので炊いても美味しく、高級だし昆布のほか、塩昆布や佃煮、おぼろ、とろろ昆布等の加工用として用いられる。二年生養殖昆布は天然昆布とほぼ同じ品質だが、一年生養殖昆布は、色つやが黄色ががかっていて、味は淡白なので、おしゃぶり昆布、バッテラ昆布、酢昆布、おぼろ、とろろ昆布などに用いられる。

<黒口浜産>表皮は褐色で切口は黒い。風味が良く、だし汁が澄んでいる。味もコクがあり、だし昆布の高級品。高級だし昆布、塩昆布などに用いられる。養殖昆布の味はやや淡白だが、品質は天然に劣らず、主として、だし用昆布として利用される。

<その他浜産>だし汁はやや淡白だが、清澄で質の良い昆布が多い。だしだけでなく、酢昆布、昆布茶、かまぼこ、りゅうひ昆布、おしゃぶり昆布、おぼろ昆布、とろろ昆布など幅広い用途に用いられる。

【がごめ昆布】
表面は凹凸状で、かごの目に似た形態。粘りが強く、とろろ分が多いため、とろろ昆布やおぼろ昆布、汐吹昆布など主に加工用に利用される。

【三石(日高、十勝、釧路)昆布】
色は濃緑に黒みを帯びている。だし昆布として多く用いられ、コクのある味で広く知られている銘柄のひとつ。だし取り後の昆布は、佃煮、煮物などに使われる。煮上がりが早いので、昆布巻、豆昆布などの惣菜、佃煮などに適している。

【なが昆布系統】

<棹前昆布>5~6月に採取される昆布で、柔らかい性質なので「野菜昆布」とも呼ばれ、おでん、早煮昆布等にとくに用いられる。一般家庭での地方色豊かな料理素材としても好まれている。

<なが昆布>表皮は灰色を帯びた黒色。だしには若干の甘みがあり、三石(みついし)昆布の仲間。主に昆布巻、佃煮、おでん昆布などに用いられる。

<厚葉昆布>表皮は黒色で白粉を生ずるものが多い。葉幅広く肉厚。釧路では特厚と呼ばれている。佃煮、昆布巻、汐吹昆布、おぼろ昆布、とろろ昆布などにも用いられる。だしをとるときの匂いが良いので、だし昆布として使われることもある。

【ねこ足昆布】
主に加工用として使用されている。

【くきなが昆布】
濃い茶色、葉幅が広く、肉厚で両縁部が広く、ヒダが多い。

【利尻昆布】
表皮は黒褐色でマコンブに比べ硬い感じがする。だし汁は清澄で香り高く、特有の風味が喜ばれる高級品。だし取り後の昆布が佃煮、煮物などにも使える。味のある昆布なので、おぼろ昆布、とろろ昆布等の加工用にも用いられる。京都の千枚漬けや湯豆腐にも定評があり、だし昆布として京都で最も評価が高い。

【羅臼昆布】
表皮の肌色から黒口と赤口に区分される。黒口は半島突端寄り、赤口は半島南端寄りに比較的多い。味が濃く、香りがとても良く名品の誉れ高い品。真昆布に匹敵する高級銘柄。高級進物用、だし昆布として重宝される。だし汁が濁る欠点があるもの人気が高く、濁っても関係が無い大阪のうどんや煮物によく使用される。柔らかく口当たりが良いので原藻のまま細切りにして食べても美味。

【おに昆布】
だし昆布として主に使用される。等級の下位のものは加工用として使用される。

【細目昆布】
黒色を呈するが切口は全ての昆布のうち最も白い。通常、1年目の終わりに流出するので、1年目の夏に採取される。比較的幅のある細目昆布は、だし昆布として多く用いられ、その他には佃煮、とろろ昆布、きざみ昆布、納豆昆布、松前漬などに利用される。

【ややん昆布】
真昆布に似ているが、葉元が鋭角状となっていて磯臭い味がする点が異なる。主として加工用に用いられ、だし昆布としても利用される。

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