舞昆コラム

初夏の田に願いを込めて 〜御田植神事と舞昆の一日〜

大阪・住吉大社で毎年6月14日に行われる「御田植神事(おたうえしんじ)」は、五穀豊穣を祈願する伝統行事です。その歴史は古く、起源は平安時代にまでさかのぼるとされています。この時期、全国各地で田植行事は行われていますが、ここ住吉大社の御田植神事は規模も大きく、儀式を略することなく格式を守り、今もなお厳かな雰囲気の中で執り行われています。

この御田植神事は、昭和54年(1979年)には国の重要無形民俗文化財に指定され、文化的価値の高い神事として広く知られるようになりました。早乙女たちが華やかな装束を身にまとい、神楽の音に包まれて苗を手植えする光景は、まるで時代絵巻。牛が田を耕す「牛の田打ち」や、雅楽が流れる中で進む儀式の一つひとつに、農への感謝と祈りが込められています。

私たちの食卓に欠かせない「お米」は、こうした営みの積み重ねによって育まれています。普段何気なく食べている一膳の白ご飯の向こうに、自然と人の営み、そして祈りがあるのだと感じさせてくれるのが、まさにこの神事です。

そして、お米が主役なら、その脇を彩る「ご飯のお供」もまた名優。なかでも、昆布の佃煮は日本人の味覚に深く根ざした存在です。甘辛く炊き上げた昆布の一口が、炊きたての白ご飯をさらに引き立て、日々の食事に豊かな満足をもたらしてくれます。

住吉大社を訪れる際は、ぜひ「阪堺電車(阪堺電軌)」をご利用ください。天王寺から住吉までをつなぐこの路面電車は、通称「チンチン電車」として親しまれ、レトロな車両が揺られながら街を進む風情は、大阪の下町情緒そのもの。静かに流れる車窓の風景に、どこか懐かしい時間を感じることができるでしょう。

御田植神事を見学されたあとは、阪堺電車で天王寺方面へ。四天王寺やてんしば公園といった名所をめぐるも良し、その帰り道に立ち寄っていただきたいのが「舞昆のこうはら 天王寺店」です。

当店自慢の「舞昆」は、北海道道南産の真昆布を独自製法で発酵・熟成させた、新しいスタイルの昆布佃煮。深みのある旨みとしっとりした食感が特長で、ご飯にのせるだけで、素材の力を感じていただけるはずです。

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